糖尿病と食品について
糖尿病とは?

糖尿病は、食物として口から取り入れた糖質を、膵臓から出されるインスリンというホルモンの働きが低下することで体内でうまく代謝できないために起こる病気です。
糖尿病というと「尿に糖が出る病気」と考えられがちですが、これは糖尿病のひとつの症状にすぎません。重要なのは、血液中の糖分(血糖)が異常に高い状態(高血糖)が続くことです。

代謝異常を是正するためには、できるだけ糖質の代謝に負担のかからないようにする必要があります。たくさん食べれば血糖値は上がり、それに応じて薬の量も増えることになります。そこで食事療法が重要となってくるのです。

高血糖を放っておくと、目や腎臓の障害、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。
インスリンの働きは血糖を利用するのに欠かせません。インスリンの働き以上に過食すると、血中の糖分が利用されずに残り、やがて尿に混じって出ていきます。 膵臓から出されるインスリンの働きに見合った量の食事をしていれば、糖分は十分利用され、高血糖を防ぐことができるのです。

糖尿病の食事療法とは?
適正なエネルギー量の摂取

まずは標準体重を出しましょう。

身長(m)×身長(m)×22 = 標準体重(kg)
例) 身長170cmの場合
1.70(m)× 1.70(m) × 22 = 63.58(kg)

次に1日に必要な総エネルギー量を出しましょう。

標準体重(kg)×体重1kg当たりの仕事量(kcal)=1日の総エネルギー量(kcal)
体重1kg当たりの仕事量は人によって違います。
・軽い仕事 25〜30(kcal)
・重い仕事 35〜40(kcal)

例) 重い仕事の方の場合
63.58(kg)× 40(kcal) = 2,543(kcal)

バランスよく栄養をとる

1日の総エネルギー量を適切に配分

・炭水化物: 55〜60%
・たんぱく質: 15〜20%
・脂質: 20〜25%




ビタミン、ミネラル不足に注意

エネルギー量を抑えると微量栄養素が不足しがち。

食物繊維を十分にとる

海藻やきのこなどをうまく献立に取り入れ、1日に20〜25gの食物繊維をとるようにしましょう。


食物繊維の多い食品をしっかり摂りましょう

規則正しく食事をとる

「1日の総エネルギー量を3回の食事にほぼ均等に配分し、決まった時間に食事を摂ること」を心がけてください。
◆まとめ食いは、1度にたくさんのインスリンが必要になり、膵臓に負担をかけます。

◆規則正しいは、食後血糖の変動を少なくします。

おすすめ!エネルギーコントロールをお手伝い(おかず、おやつ)
低カロリー食品


スウィートマービーフルーツミックスキャンディお徳用
1,404円(税込)

◆間食や甘いものを控えるよう栄養指導で聞いていても、なかなかやめられないと思います。そんな方にエネルギーを抑えたゼリーやジャムなどを活用いただきます。
◆食物繊維を含んだ食品は、血糖値の急激な上昇を抑えます。
◆糖分に使用されているエリスリトールやマルチトールなど糖アルコールは、エネルギーを抑えるだけでなく、血糖値の上昇が緩やかです。

低カロリー甘味料


ラカントS顆粒
2,376円(税込)

◆ 砂糖と同じ甘さを使っても、エネルギーを抑えることができます。

おすすめ!血糖コントロールのお手伝い(繊維)

食物繊維は、食後の血糖上昇をおさえる効果と血中コントロール増加を防ぐ作用など、健康を保つ上で重要な働きがあります。1日に20〜25gの食物繊維をとるようにしましょう。 (食事摂取基準)

1.食物繊維の粉末

飲料や汁物、ご飯を炊くときなどに混ぜて、手軽に食物繊維の摂取ができます。

2.食物繊維入り飲料

食物繊維入りお茶などは、食事と一緒にとることで、急激な食後の血糖値の上昇を防ぐのを助けます。

おすすめ!合併症予防(減塩)

糖尿病でさらに高血圧があると腎症、網膜症や動脈硬化が進みやすくなります。高血圧の予防や治療には、食塩の取り方をできるだけ少なくすることが必要です。1日に摂取する食塩は10g以下にしてください。(食事摂取基準)

1.だしわりしょうゆ、つゆ、だしのもと

一般の商品と比較して塩分だけでなく、たんぱく質、リン、カリウムも低減されています。だしの"うまみ"を生かした風味により、薄味でもおいしく味付けできます。 また、だしわりつゆは、麺類のつゆや煮物、丼物、天つゆなどにもお使いいただけます。

2.佃煮

低塩、低リン、低カリウム

食物繊維含有量
食物繊維含有量

料理1人分に含まれる食塩

注意!アルコールのエネルギー

アルコールを毎日一定量以上飲み続けると、インスリンの働きが悪くなり、血糖のコントロールが乱れやすくなりますので、注意が必要です。

必見!油を減らす調理ポイント
ポイント1
炒め物は樹脂加工フライパンで!

樹脂加工のフライパンを用いると、ごくわずかな量の油で炒められる。

ポイント2
揚げ物の衣は薄く!

カツやフライよりから揚げ、素揚げのほうがエネルギー量が少ない。 天ぷらなら薄い衣を片面だけにつける。

ポイント3
火の通りにくいものは下茹!

揚げる前に、6〜7割がた火を通しておくと、吸油量が少なくてすむ。

ポイント4
肉の脂肪を減らす!

網焼きやしゃぶしゃぶなどで焼いている間に落ちる脂やしゃぶしゃぶ鍋に浮く分だけ、肉の脂肪を減らせます。

食生活、食習慣のチェックポイント
食べる量は?

いつも1人前では足りない、満腹で動けなくなるほど食べてしまう。
→食べる量の見直しが必要

どんなものを食べる?

甘いもの、油っこいものが好きで、野菜はほとんど食べない。同じものばかり食べる。
→食事内容の改善が必要

いつ食べてる?

夜遅くに帰宅して夕食をとり、すぐに寝てしまう。
→食べる時間を見直そう。夕食を早めにとる対策を。

食べる時間は?

食事には15分もかからない、食べ始めると一気に食べてしまう。
→早食いは食べ過ぎのもと。血糖値も急激に上がります。

食事配分は?

朝抜き、昼は軽め、その分夕食はしっかりまとめて食べる。
→3食ほぼ均等に食べるようにしましょう。

食事療法は、すべての糖尿病患者さんに必要な治療の基本です。 適切なエネルギー量で栄養バランスのとれた食事が目標となります。

まず、これまでの食事の問題点を見つけ、それを改善していくことが出発点です。 自分なりのやり方を見つけて、継続していくことが大切です。