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VI.食事療法
食事療法は、一般療法の基本ともいえる重要なものです。軽症の高血圧なら、食事内容の改善だけで治ることもあります。
食事の改善とは、具体的には塩分やカロリーを控え、カリウムやカルシウムなどを十分にとることです。とくに日本人は昔から塩分の多い食事を好み、脳卒中の原因となってきました。現在でも1日平均の食塩摂取量は約13gになります。欧米人の平均値10gと比較しても多いほうです。WHO(世界保健機構)などが示しているガイドラインの5〜6gの2倍以上にもなります。
また、食生活が豊かになり、同時に運動不足が重なり、肥満気味の方が増えています。肥満もやはり高血圧の原因となるので、カロリーをおさえた食事に切り替え、血圧をコントロールする必要があります。食事療法は、単に血圧を下げるだけでなく、生活習慣病(成人病)や老化の予防にも役立つので、長く続けることが大切です。
VI-1.塩分の摂取はひかえましょう
塩気の多いものを食べると、水分がほしくなります。水分をとると体内の水分量が増え、循環血液量も増加します。すると心臓の拍出量が増え、抹消血管への圧力が増加し、血圧が高くなるのです。食塩の主成分である塩化ナトリウムには、末梢動脈を収縮させ、交換神経を刺激し、血圧を上昇させる作用もあります。
このように食塩は、高血圧と密接な関係にあります。そこで逆に食塩の摂取量を減らすことが、食事療法の重要な要素となるわけです。食塩の影響度には個人差が大きいのですが、平均すると1日あたりの摂取量を1g減らすと、上の血圧が1mmHg、下の血圧が0.5mmHg下がるとされています。高血圧の方の約60%が食塩の影響を受けやすい体質なので、その点でも減塩は有効な方法といえます。
食塩の摂取量を1日3gにおさえると、利尿薬1錠分と同程度の効果があります。しかし、それでは味気ないでしょうから、せめて6g程度におさえるように心がけてください。
VI-2.野菜や果物は血圧を下げます
野菜や果物には、カリウムが多く含まれています。
カリウムには、食塩の主成分であるナトリウムの排泄を促進する作用があるので、結果をして減塩と同じような効果があります。
100gあたりのカリウム含有量の多い食品は、野菜ではパセリ、ほうれん草、ゆり根、納豆、嫁菜、里芋、春菊などで、果物では、アボガド、バナナ、うり、メロン、さくらんぼなどがあります。そのほか、一度に食べる量は少ないのですが、わかめ、こんぶ、ひじきなどの海藻類にも、非常に多くのカリウムが含まれています。
これらの食品は、食物繊維も豊富です。食物繊維は腸のなかでナトリウムを吸着し、体の外へ出す働きがあるので、より一層血圧を下げる効果が期待できます。
ただし、果物には糖分が多いので、減量したい場合にはとりすぎないようにします。また、腎不全の方がカリウムをとりすぎると、血液中の濃度が高くなり危険ですので注意が必要です。
VI-3.血圧を下げる食事とは
食事療法の基本は、食塩を少なめにし、肥満の方はカロリーを制限することです。
しかし、塩分を控えても、動物性脂肪の多い食品をとりすぎると、血液中のコレステロール濃度が上がり、動脈硬化を起こし、血圧を上げることになります。卵黄、イカ、エビ、牛・豚・鶏の内臓、バターなどがコレステロールの多い食品ですが、イカやエビには心臓を強化するタウリンも含まれていますので、量を考えて上手に食べるようにしましょう。

日本人の肥満の原因は、主食のごはんやパン、甘いもの、清涼飲料水などのとりすぎにあるともいわれています。これらの食品は、体内で中性脂肪に変化し、血管や内臓に付着すると動脈硬化の原因ともなりますので、やはりとりすぎはいけません。

反対に、たんぱく質にはナトリウムを体外に排出する働きと、傷んだ血管を修復する働きがあります。たんぱく質は、肉・魚・大豆に多く含まれますが、肉類は脂肪の少ないものを選びます。魚はコレステロール値を下げる成分の多いイワシ、サンマ、サバなどの青魚が、高血圧予防にも効果があります。

牛乳や青魚、干しシイタケなどに多いカルシウムや、ゴマやピーナッツなどのナッツ類、焼きのりなどに多いマグネシウムも血圧を下げる食品です。高血圧によくない食べ物とよい食べ物を知り、よくないものは控えめにし、よいものを毎日の食事に上手に取り入れることが、食事療法を成功させるコツだといえるでしょう。
VI-4.外食のときの注意点
外食のメニューは、一般にカロリーが高く、塩分も多い傾向があります。高血圧の方は、できるだけ外食をさけるべきですが、選ぶときはできるだけ魚や野菜などの数種類のおかずのついた定食にしましょう。

とくにカロリーや塩分の多いのは、丼物とめん類です。これらを食べるときには、ご飯やスープを残すようにします。最近は、メニューにカロリー表示をしているレストランも増えていますので、参考にして、できるだけ低カロリーのものを選ぶことです。

昼を外食で済ませたら、夜はうす味の家庭料理にしたり、足りない栄養分を補うといったように、1日のバランスをとることも大切です。
外食以外では、即席めんや冷凍食品などもカロリーと塩分が多いので、包装紙の栄養表示をしっかりチェックしてください。
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