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IV.合併症
IV-1.脳卒中
脳卒中という病気は単一な疾患ではなく、いくつか種類がありますが、代表的なものは脳出血、脳梗塞、くも膜下出血の三つです。脳出血は、脳の細動脈壁がもろくなって懐死に陥り、これが血管内圧に耐えかねて破裂し脳実質内へ出血した状態です。
脳出血は血清コレステロールが低い地域に多発する特徴が見られます。また同じ地域集団でも血圧が正常なら脳出血はほとんど発生しませんが、最大血圧200ミリ以上と、最小血圧110ミリ以上というグループからは、かなり高率で脳出血が起こります。
高血圧で血清総コレステロール値が低い人は、積極的に栄養をとらないと脳出血を起こしてしまいます。
IV-2.脳梗塞
脳梗塞とは、脳血栓と脳塞栓を一括した病名ですが、頻度の上では脳血栓が圧倒的に多いと理解してよいでしょう。一般的には、脳血栓という病気は脳動脈の粥状硬化症(つまり動脈壁にコレステロールがたまるタイプの動脈硬化症)を基盤に発生するものと考えられています。しかし日本では、脳の細動脈硬化症を基盤として発生するタイプがかなりあります。
日本の地域調査で、血清コレステロール値が低い地域に脳梗塞が多発することが知られていますが、大都市の職域調査では、血清総コレステロール値と脳梗塞との関連があまりはっきりしていません。
粥状硬化症を基盤として発生する脳血栓はコレステロール値が高いときに起こりやすいのですが、細動脈硬化症を基盤とする脳血栓はコレステロール値が低いときに起こりやすいのです。高血圧の場合、血清総コレステロール値は低すぎても高すぎても脳梗塞の危険性があるのです。
IV-3.心臓病
高血圧で引き起こされる心臓病は心筋梗塞だけではありません。急性心臓死や狭心症、急性ないし慢性心不全などいろいろな病気があります。血圧が高いと、こういった合併症の発生率が正常血圧の2倍以上になることがわかっています。
高血圧でしかも血清総コレステロール値が高いと、心筋梗塞の危険性が高くなることが重要視されています。血圧値が上がるほど、またコレステロール値が増えるほど、心筋梗塞や急性心臓死も増加することがわかっています。また、血圧とコレステロールだけでなく、タバコ、左心室肥大、糖尿病という別の因子をもっている場合には、かなりの高率で心臓病にかかることもわかっています。
もともと心筋梗塞に代表される冠動脈硬化症は、栄養が良すぎる欧米で高率に発生しますが、国民の栄養状態が悪い国ではあまり発生しません。最近は太っている人が増えてきましたが、動物性食品のとりすぎで太っている人は別として、穀類やイモ類のとりすぎと運動不足のために太った人の栄養状態は案外良くありません。例えば、地方の農山村では、太っているのに血清総コレステロール値はむしろ低いというケースが結構みられます。
出典:Dr.アミールの血圧講座
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